「地方の道に信号がだんだん設置されるようになったらしいぞ」
よくフィリピンの地方に出張する駐在員からこの話を聞いて私は「おおー!」と思った。
フィリピンの地方ではまだ信号がないところが多い。
それにより、順番を守らない車ヤ勝手に渡る歩行者などでよくカオスな状態に。
そのため、フィリピンではタイミングを見て道路のはよくあること。
私は下手だったのでよくタイミングを逃して道路を渡るのに苦戦していました...。
信号ができた話を聞いて、
『これからは道が渡りやすくなる!』と喜んだ時でした。
「でも信号が出来たら交通事故が増えちゃったらしいよ」
「ええ?!なんでですか?」
予想外の信号を設置した後の効果の理由を駐在員はこう説明してくれた。
「フィリピンではタイミングを見て道を渡るのがよくあるだろう?そういう道で信号ができた後、運転手は『信号が赤でなければ道を渡る人はいない』と安心して信号のとこまでかなり早いスピードで車を走らせる」
「その一方で、道を渡る人達の中に残念ながら信号のことを理解していない人達が多いらしく、猛スピードで走ってくる車はいないと思っていつも通り道を渡ってしまう。
「その結果、事故がさらに増えちゃったというわけ」
「まあ、要するに信号に関するルールが全員に行き渡ってないことから『信号のことを知っている人』と『理解していない人』によって事故が増えてしまったのが一番の理由だろうね」
「そうだったんですか…」
信号が出来たら事故が減るのではなく、まさか増えるとは...。
新しいルールが出来ても皆が知らなければ意味がない...。
改めて、ルール作りの難しさを実感したのでした。