人に押しつぶされるのが避けて通れない満員電車。
さらに。
ストレスがたまっている人達によるケンカの発生。
事故による電車の遅れ。
その遅れによって自分がいる電車に人が流れ込んだ圧力で響く骨が折れたかのような怪しい音。
色々あって学校や会社に着く頃にはすでに疲れ果ててしまう満員電車。
毎日の満員電車に私は心の中でこう思いました。
いつか満員電車から解放されたい!!
そしてフィリピン現地採用として働く事になった時。
車社会であるフィリピンで運転手付きの車で会社に通うことに。
もう人に押しつぶされる心配はない!と私は喜びました。
だが、
すぐに現実は甘くないこと知る。
運転手は数人いて、交代制で運転をしてくれました。
その中にかなり乱暴な運転をする一人の運転手がいました。
猛スピードで走っては、かなりギリギリのとこで前の車を追い越す運転手。
「怖い…」と思いましたが、一緒に乗っている駐在員や先輩達は何も言いませんでした。その反応に「気のせいかな?」と私は考えました。
しかし。
すぐにある決定的な出来事が起こる。
その運転手の機嫌が特別に悪かったある日。イライラしている運転手にイヤな予感を覚えました...。
そしてその日の帰り。
いつもの猛スピード運転が進化して超ハイスピード運転に。
謎の闇組織にでも追われているかのような走りっぷり。
「なんて素晴らしい運転技術!」と感動するわけがなく、
次々と目の前に迫りくる車に
「死ぬー!!!」
と心の中で絶叫し続けました。
...最後は無事に帰れましたが…
冗談抜きでこの日は本気で死ぬかと思いました...。
さらに、この日からその運転手は「あの世行きと隣合わせ」の運転をするように...。
「この人やっぱり怖い!でもなんで誰も何も言わないの?」
と疑問に思っていたら...、
駐在員、現地採用の先輩、そして現地スタッフも仕事中に「あの人の運転が怖い」と話していました...。
みんなもやっぱり怖かったんだ。
けれど、危険な運転が知られているにも関わらず、その運転手は変わらず車の運転を続けました。
ここで私はある恐ろしいことに気づいた。
その人が運転している車に乗っている時は、その運転手に自分の命が握られているということを…。
結局、私も何も言えないままその人の乗る日は恐怖におびえながら耐えるしかありませんでした...。
そんな日々が、日本に帰るまで続いたのでした...。
満員電車とあの世行が近い車通勤。
あなたならどっちを選びますか?