「外資系の外国人社員が優秀な理由を知ってる?」
突然の上司からの質問。仕事をしていた私は一瞬ポカーンとしました。
「なぜ急にそんなことを?」と思いながらも、真顔の上司を見て真剣に考えました。
私「...仕事ができて、結果を出せるからでしょうか?」
上司「確かにそうだけど、他には?」
私「うーん...能力が高いからですか?」
上司「具体的に言うと?」
私「えっと...」
答えに詰まる私に上司はこう聞いた。
上司「じゃあ質問を変えよう。君をどこかの日系企業の面接官としょう。その会社は事務員を探していた。そこで電話、スマホやパソコンを一度も使ったことない、でも「日本語は話せます!」だけの人が来たら採用する?」
私「それは...さすがに厳しいので採用しません」
上司「だろうね。日本人なら日本語が話せるのは当たり前だからな。そしてそれは外資系も同じだ。英語がしゃべれるのは普通のことだ。だから外資系にいる外国人の社員は必ず"何か"特別なスキルを持っている人しかいないんだ」
考えてみればそうだった...!
英語が出来て当たり前の環境で他に”スキル”がなければただの人になってしまう...。そんなことを思い出す私に上司は続けた。
上司「日本人は『英語が出来る』というだけでまだ有利になることは多い。けど、外国人の場合はそれは通用しない。だから外資系に自然と優秀な外国人が集まるんだ。そしてそれは外資系にいる日本人にも求められることだ。外資系にいる以上『英語が出来る』のは当たり前だ。結果を出すのもそうだが「他に何ができるか?」が大切なんだ」
この話を聞いてドキッとしました。
なぜなら私が外資系の面接を受けた時、「英語で仕事をしたことある」経験を元に『英語力』をかなりアピールしたからです。
私が日本人じゃなかったら一切通用しなかったでしょう。
そして同時に気づくのでした。外資系の社員って聞くと「優秀」と思われてしまう理由。英語以外に、素晴らしいスキル・能力がある人として見られるからということを。
実際にこの頃、友達に「外資系で働いている」と言うと『すごい!』『エリートだ!』とほめられましたが、
そんなことは断じてありません。
優秀なみんなと違って私は「英語ができる日本人」の特権を活かして運よく入れたに過ぎません。
今の私に...英語以外に何がある...?
そんなことを考えていると上司がこう言ってきました。
「おまえも頑張れよ!」
私の不安を見抜いたでしょうか。
よく怒られる上司からの思わぬ激励にびっくりしながらも「はい!」と返事しました。